先日,大阪・関西万博に行ってみたので,そのときの感想を忘れないうちに記しておきます.

急遽,前日に万博に行くことを決めたため,事前予約が必要なパビリオンには一つも行けませんでしたが,結構楽しむことができました.訪問したパビリオンは,順に
①シンガポール→②マルタ→③北欧館→④バーレーン→⑤コロンビア→⑥ブラジル→⑦クウェート→⑧アラブ首長国連邦→⑨アメリカ→⑩ポーランド
です.コモンズなどのパビリオンにも行きましたが,ここで単独で出展している国のみを挙げています.国名の横に超個人的な評価を 5 点満点でつけています.展示内容にも触れていますので,ネタバレを含みます.
入場まで
バスで万博会場まで行ったため,西ゲート前の到着でした.到着したのは 10 時半前で,11 時からの入場列が少しできていました.私は 11 時入場の予約だったため,列に並びました.しかし,並んで程なくしてゲートの方へと案内され,手荷物検査を受け,入場することができました.この時点でまだ 10 時 37 分ころでした.よく入場で混雑していると聞いていましたが,少し時間が違えば空いているのかもしれません.
① シンガポール (4/5)

「夢は何か」というわかりやすい問いを掲げていた.球体の建物は外から見ても,中から見ても面白い.新進気鋭のアーティストが手掛けたという内装も,熱帯雨林気候のシンガポールを感じ取ることができてよい.建物内で書いた夢を手にのせて上へと持ち上げていく場所があるのだが,ちょうどその上のフロアでいろんな人が描いた夢が表示されていて,建物の構造も意識した展示となっていた.
② マルタ (4.4/5)
展示こそ少ないものの,マルタの歴史や文化を端的に表した映像が上映されており,マルタについてよく知ることができた.また,日本とのつながりを示す古い兜の展示も目を引いた.ちょうど昼くらいの時間だったので,パビリオン併設のレストランでうさぎシチューのパスタ (2,500 円) を注文した.かなり薄味で塩と胡椒を入れたが,味自体はそこそこ.うさぎ肉はジビエといった感じで,とりわけ臭みなどはなかった.
③ 北欧 (2.7/5)
「北欧 5 カ国が集まってできたのがこれ?」と思うほど,つかみどころのない展示だった.ふわっとしたことしか書かれておらず,文字情報が極めて少なかったのは残念である.スマホのバッテリーを気にして,パビリオン内で掲示されていた QR コードでアクセスしなかったので,若干情報量は少ないと思うが,個人のデバイスに依存した展示もどうかと思う.
④ バーレーン (4.8/5)

まず,建物の意匠が特徴的である.バーレーンは島国であることから,昔よりボートが作られていたが,そのボートを模した形となっているのである.内部では,バーレーンの歴史や文化を,五感を通して楽しむことができた.アルミの製錬が盛んだという説明があったが,パビリオン内の案内看板の矢印はアルミでできており,こういうところにも自国の特徴を反映できているのには感心した.
⑤ コロンビア (4.5/5)
コロンビアの自然がよく表されていた.コロンビアの生物多様性について紹介されていて,今回の万博のテーマにも合致していると感じた.海から山まで満遍なく取り上げられている点も良かった.
⑥ ブラジル (3.4/5)
少し前衛的な感じ.空気で膨らまされた造形物は面白いと思ったが,結局のところ何を主張したいのかよくわからなかった.映像もコンセプトを掴むことができなかった.もう少し,自国の文化や歴史についても深く触れてほしかった.外で売られていたコーヒーは美味しかった.
⑦ クウェート (5/5)

入って最初の部屋は,壁と天井が金属の光沢で覆われており,真ん中に球体がある.これが真珠の中身を表しているのだろうと気づいたとき,本当によくできているなと感心した1.このあとも,砂漠の砂に埋まった古銭などを掘るという,さながら発掘のような体験ができた.また,石油に関する展示では,パイプが横たわっており,そこに付けられたハンドルを回すことでいろんな情報を見ることができた.最後には,まるで砂漠で星空を眺めているような感覚で映像を楽しむことができた.唯一無二の体験ができるパビリオンで,ぜひとも行ってほしい.
⑧ アラブ首長国連邦 (4.1/5)

待ち時間なしですんなりと入ることができた.開放的な空間で展示の数は少なかったが,映像から伝統を大事にし未来へと繋いでいくというメッセージを感じられた.柱の意匠がとても印象的だった.
⑨ アメリカ (2.3/5)
大して中身がない割に,映像を 3 つも見させられるので,時間だけを食う.さらに待ち時間も長いとなると,本当に行くべき理由がなくなる.月のサンプル以外はほとんど展示がなく,映像が主体である.正直言って,アメリカなのにこんなにしょぼいものしか作れなかったのかと感じた.スタッフの名誉のために言っておくと,現地スタッフの対応は良かったと思う.やっつけ仕事ではなく,しっかりと丁寧な対応だった.まあ,それだけに展示のクオリティの低さに目がいってしまうのだが.
⑩ ポーランド (4.2/5)
唯一,当日登録でいけたパビリオンだった.来場者の選択によりどんどんと変わっていく,インタラクティブな展示で面白かった.また,普段あまり気に留めることのなかった,シリコンインゴットや逆ポーランド記法などのポーランドの科学技術面の貢献についても知ることができた.
まとめ
クウェートパビリオンは,ぜひとも行ってほしいです.アメリカはどうでもいいです.待ち時間 0 分だとしても,映像を見させられるだけで 30 分くらいかかるので,これだけ時間がかかるなら他のパビリオンに行ったほうが有意義です.
- 確証はないです. ↩︎